【病院】【業務改善】抗がん剤レジメン×Excel
僕はいま病院薬剤師ですが、2年半前までは点々としていました(記事執筆は2020年3月)。点々としたことで、病院って組織は効率わるいなぁ、こうすればいいのにって事が沢山みえます。それを、【業務改善】の記事にしていきます。
【できること】
抗がん剤のExcel開くと、勝手に用量計算してくれる(前回もできてた)。それだけでなく、レジメン全体像もみえる。何月何日に内服開始、いつ入院し、どの順番で予防投薬・点滴・後投薬をするのか?
これみんな、今回Excelでできます。 今日のさいごには、こんなレジメンができるはずです。
【抗がん剤レジメンもExcelで】
この記事の続きです。
ここでは、抗がん剤をExcelに計算してもらう方法をお伝えしました。Excelさんにもっと活躍してもらいましょう。「レジメン管理」もしてもらうのです。
【スケジュール:S-1+CDDP療法のレジメン】
抗がん剤使われるかた。このサイト、便利です。(胃・大腸のがん)
ここでみての通り、S-1+CDDP療法は
●35日サイクル
●1~21日目にS-1服用
●8日目に、2時間かけてCDDP静脈点滴
ととても複雑です。しかも前投薬・後投薬も考慮しないとです。
<前投薬・後投薬>
抗がん剤ではないが、副作用軽減のために必要な薬のことです。
シスプラチンの副作用と対策 | ||
吐き気 | 1日目 | グラニセトロン3㎎注射 |
イメンド125㎎内服 | ||
2・3日目 | イメンド80㎎内服 | |
腎障害 | 1日目 | ラクテック液500mL点滴 |
シスプラ後 | フロセミド20㎎注射 | |
ラクテック液500mL点滴 | ||
2・3日目 | ラクテック液500mL ×2本点滴 |
こんな事やる病院がほとんどです。(僕の現勤務先では少し違います)これも、レジメンExcelに反映必要ですね。
【レジメンExcelはどうなる?】
こんな風にすればよいです。
②の数式:「=$H$3&”朝夕食後”」
これは、H3セルででたS-1用量に、”朝夕食後”というテキストを追加して表示する、という意味です。
※H3でなく$H$3の理由:セルをコピーペーストした時、セルの番号が移動してしまう為です。
③複雑な数式
これも②と似ています。
「="シスプラチン"&$H$4&"㎎"&
"+5%ブドウ糖液全量で500mL"」と入っています。これは
”シスプラチン”というテキスト + H4セルのシスプラチン用量 + ”㎎” + ”5%ブドウ糖液全量で500mL” というテキスト
と表示してほしいからです。
実際に身長・体重が入ると・・・
(170㎝、70Kgの人にでた場合です。)
じっさいはシスプラチンは、10㎎単位でしか調剤できません(細かい秤量が不可能)。この場合は120㎎と表示させています。
(H4セルの式を、=MROUND(B5*65,10)に変えて10の倍数にしました)
これだけ踏まえたExcelレジメンです
こちらからどうぞ。ほかのレジメンでも考え方は同じです。