茶助の備忘録

★★現行ブログはコチラ

【病院薬剤師】余命告知

f:id:chaske1024:20190911231206p:plain

病院薬剤師の茶助です。僕は小規模病院の薬剤師になって2年になるけど、本当によかったなって思う。規模が小さいから、いろんな診療科を全部みれるし、調剤から病棟指導まで全部できる。規模が大きいと、調剤だけ、整形外科だけ、など断片的になっていたと思う。

 

【1:余命告知】

茶助の担当病棟は「外科病棟」。うちの病院だと外科は、消化器系の外科手術患者がほとんど。胆石つまるから胆のう切除とか、膵炎だから禁酒指導・薬での治療とか。だけど多いのは、消化器系のがん。

 

がんの進行度でステージⅠ~Ⅳまで分かれて、Ⅳは転移しているので末期がんに相当する。(転移がある=リンパ液・血液中あちこちにがん細胞が流れていることを意味する)ステージⅢとかⅣは、いきなり告知されるもの。『手を施さなければ4か月は厳しいです』などと付け足して。

 

そして、そんな末期のがん患者さんのエピソードに共通点がある。それは、人間ドックを受けず、自覚症状で受診して発見される点。主治医の先生方のカルテ記載に「せめて年1回、人間ドックを受けていれば・・」とあって、先生方の悔しさがよく分かる。自覚症状出るころには遅く、人間ドックが何としても必要なのだ。

 

【2:実際の患者様】

そんな患者様のもとに、僕ら病院薬剤師が行くときは必ず電子カルテに目を通している。今日もステージⅣの患者様の元にいった。

 

患者様は僕の父親世代くらいの人。だけどそんな人が、涙を流していた。「去年からずっとおかしい、おかしいって思っていた。町医者にかかっても下痢止め出されただけ。それで、ココで腸カメラ検査したらカメラが通らなかった。レントゲンしたら、末期のがんが見つかってあと4か月は厳しいって言われたんだ。なぁ××さん(僕の名前)、忙しいとこスマンけど時間もらってもいいか?・・・」そう言いながら、今まで出ていた薬・検査同意書なんかを見せていただいた。その中に、お墓の記事・葬儀料の記事・遺産相続の記事があるのを見つけた。最期が近いって事を理解して、泣きながら集めたんだろうなって、胸が痛くなった。「いきなりあと4か月だって言われて、××さん受け入れられるか?俺は恥ずかしいけど涙が止まらなかったよ。昼までいた妻がいなくなると、寂しくもなるんだよ。」プライドも高いであろう男性が、息子くらいの僕に、恥ずかしさ以上に辛いのだと伝えてきたのだ。

 

だけど希望を捨ててはいなかった。「俺は元気になって、(今いる岐阜から)青森までドライブしたいんだ。だから泣いてばかりもいられない。(力こぶをみせて)みてくれよ、こうやって筋肉だってついてきたんだ」希望があるから、自暴自棄にならずに明るい表情も見せられる。このときは僕も笑顔を作って、一緒に喜んでいた。希望が持てるから、こうやって人間らしくなる。勉強になった。