茶助の備忘録

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【病院薬剤師】患者様の最期

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病院薬剤師の茶助です。今回は育児メモではなく、病院薬剤師としてのメモ。病院薬剤師の仕事というのは病院就職前、知りたくて知りえなかった。だから知りたい薬剤師さんのために、力になればと思ってこの記事を書いている。

 

【1:最期は患者様の行いがみえる】

職業柄、患者様のいろいろな人生模様を(電子カルテ記事で)目にする。たとえばこんなパターンを見かける。

1)孤独死を遂げてしまった方

2)家に居てほしくないから遠くの施設に入れられる方

3)感謝しているから、兄弟家族たくさんに看取られる方

 

1)申し訳ないが、孤独死を遂げてしまった方もみえる。ヘルパーさんが在宅訪問したら玄関先で冷たくなっていた、その場で警察が死亡確認というパターン。こういう方は、病院スタッフ当たりも横柄な感じだったりする。(全員ではなく、あくまで茶助が接してきた傾向)

 

2)最期が近いのに施設の方もみえる。家族の訴えに「じいさんは横柄で苦労させられた、ばあさんは引き受けてもじいさんと日常一緒になんてとんでもない」「家のレイアウト的に無理」などと書かれる事もある。

 

3)死の瞬間に家族・兄弟おおぜいに看取られた方もみえる。深夜0時過ぎなのに沢山の家族に囲まれ、家族たちは息をひきとる瞬間まで起きていたり。

電子カルテ記事の向こうから、悲嘆する家族の表情が目に浮かぶようだった。この患者様は病院でのスタッフ当たりも良かった。この方がいかに愛されていたのか、周りの家族が鏡になって映しているかのようだった。

 

僕もこういう方を担当したことがあるのだけど、スタッフのこっちが恐縮するくらい丁寧な方だった。病室にはいつも家族が来ていた。

 

【2:薬剤師は看取りにもかかわる】

僕は病院薬剤師なので、看取りの患者様と直接は接しない。

だけど処方薬をみれば、その状態はわかる。がん患者様の例をだすと、

 

抗がん剤がプッツリなくなって医療用麻薬だけになっていたら、それはがん治療を諦めていること。

●鎮静剤(ドルミカム®注射など)が高用量でていたら、セデーション。最期が近いということ。

 

薬剤師は機械的に、本当にこの出し方でいいのかチェックする係なんだけど。人間としての感情で、本当に胸の詰まる思いをする。この方とお別れが近いのだって。

 

鎮静剤をがん最末期の方にだす事を、セデーションという(僕は勉強不足で最近まで知らなかった)。セデーションの詳しい説明は割愛するが、僕なりの言い方をすると(正しいかは別にして)「医療用麻薬さえも効かない苦しみを感じるから、意識レベルを落として(眠らせて)苦しさを紛らわす」ということ。

 

薬局薬剤師はセデーションにはかかわってこないと思う。医療用麻薬を出すところまでしか、調剤薬局には来ないからだ。だから勘違いする、「医療用麻薬さえあれば、痛みは対処できる」と。じっさいは違う、痛みどころではない「苦しみ」がある。オキノーム散®すら飲めなくなる時が来る。

 

【3:自分の愛する家族を想える】

病気というのは、手遅れになると本当に怖い。がんの発見が遅れてしまえば、それで終わり。「健康は なくし気づく 宝物」の標語はダテではなく、両親へのプレゼントは人間ドックの診察券にしようと思ったくらい。