茶助の備忘録

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薬剤師の職種(総論)

僕は薬剤師。転職を繰り返し、薬剤師として一通りの職種をこなしてきた。日本に30万人もいて、転職をかんがえる方もおおいはず。転職エージェントを通さない、僕個人の職種ごとのことを述べてみようと思う。

 

【1:調剤薬局薬剤師】

調剤薬局薬剤師
1 労働
時間
実際の拘束時間 長い
時間外拘束 大いに有り
有給 少しは取れる
2 給料   初め高▶昇給少な
3 仕事
内容
やりがい 無し
将来役立つか ×
AIに置換わる?

時間外拘束は都心部ではとても多い。時間外拘束の実際の中身は「かかりつけ薬剤師」制度の為、帰宅後も患者様個人から電話相談が来ること。ただこういったものは都会人ほど節操なくかけてくる傾向。

 

 給与も高いと書いたが勿論都心部ではバカ安い。地方であれば、高給与での転職はしやすい(田舎勤務にすれば「地方手当」でかなりつくため)。

 

正直、あまりやりがいを感じない。営業時間中は調剤~薬歴記入に追われ、圧倒的に忙しく、一人ひとりにあまり時間をかけられないから。扱う薬も内服・外用のみで、総合病院門前で2年もやれば十分やり尽くせてしまう。

 

若いうちは田舎の調剤でお金稼ぎ、とするのもいいのではないか?

 

【2.病院薬剤師】

病院薬剤師
1 労働
時間
実際の拘束時間 普通
時間外拘束 少し有り
有給 取りにくい
2 給料   初め安▶昇給多い
3 仕事
内容
やりがい かなり有り
将来役立つか

実際の労働時間もそんなに長くない。薬剤師の勤務体制は様々で、

●大規模病院(薬剤師30人~:大学病院クラス):夜勤勤務あり

 毎日1人が夜勤するので、月1日くらい。勿論日付をまたいでの長時間勤務だが、夜勤明けは長く休める。夜勤手当は高額。

●中規模病院(薬剤師8~30人:3次救急受入クラス):当直勤務あり

 毎日1人が当直するので、月3~5日くらい。当直は呼出しベルならなければ当直室で寝ているだけでお金発生する。

●小規模病院(薬剤師~7人:2次救急受入クラス):オンコール待機

 毎日1人がオンコール待機するので、月6~10日くらい。オンコール待機は病院30分圏内に待機して、病院から電話相談・呼出し(年2回程度)があれば応対する。電話がなければ普通のオフ。ただしお金発生しない場合が多い。(僕のいた病院は発生しなかった)

 

給与は確かに安い。が、中途であれば経験加味してもらえるうえ、昇給がちゃんとある。しかも最近は病院薬剤師採用は受難で、こちらから言えば高い給与でも出してくれる傾向。生涯年収は「ずっと調剤<ずっと病院」なのだが、これは昇給の賜物。

 

やりがいはかなりある。調剤薬局と違い薬の守備範囲が広く(内服・外用に加え注射薬)、栄養管理(NST)、化学療法にも参加できる。つまり薬剤師でない友達に相談された際、頼りにしてもらえるのが病院薬剤師。他職種が近いため、見分が広がる。また患者さん1人1人と接する時間は長く、深く突き詰められる(しなくてもOK)。

 

【3.ドラッグストア薬剤師】 

ドラッグストア薬剤師
1 労働
時間
実際の拘束時間 長い
時間外拘束 大いに有り
有給 取れない
2 給料   初め高▶昇給少な
3 仕事
内容
やりがい 少し有
将来役立つか ×
AIに置換わる?

 労働時間は長い。しかもズルズル伸びる(帰りがけにお客さんに居るなら要指導・一類売ってよと捕まる等)傾向。

時間外拘束が多いのは、店長会議などで呼び出されるのと、帰りがけお客さんに捕まるなど。調剤薬局のかかりつけ薬剤師の様に、帰宅後に節操なく電話なんてことはない。

 

給与は最初高めだが、例によって昇給しないケースほとんど。生涯年収では公務員・病院薬剤師に負けるケースあり。

 

やりがいはあり。OTC販売は「お客さんの話を聞いて、薬剤師が自分で簡単に診断して、薬を選ぶ」ため、自分のしたことがダイレクトに結果になる。お客さんの信頼を得れば、次からは信用してくれるのでススメた薬・健康食品をそのまま買ってくれたりする。ただし「要指導・一類薬やPB商品の厳しめの売り上げノルマ」があって、達成しないと上がうるさい場合が多い。薬剤師は登録販売者・無資格者に「高給取りなんんだからもっと売ってくださいよ」といわれるリスクもはらんでいる。